占いと言えば、水晶玉を覗き込む占い師が思い浮かぶ人も多いでしょう。
あの水晶玉占いこそが、スクライングの代表例です。
スクライングとは、何らかの物体を見つめることで、そこからメッセージを読み取る占いで、非常に古い歴史を持ちます。
メッセージは視覚的ではありますが、占いに使用する対象物の物質的な事象や現象とは関連性のない、いわゆる幻視からメッセージを受けるのです。
霊的な存在を見ることもあります。
占いに用いられるのは、水晶玉や鏡、器に張った水など、光を反射する性質のある物体です。
スクライングの古い歴史を紐解くと、16世紀にドイツの僧が水晶玉を使って宝を探し当てたという伝承にさかのぼることができ、これがスクライングの起源だと一般的に言われています。
以後、17世紀からビクトリア朝時代にわたってイギリスで大人気となるなど、スクライングはヨーロッパ中へ広がっていったのでした。
また、神功皇后が如意珠を海から取り出したという話が「日本書紀」に残されています。
この如意珠とは占いのための水晶玉であり、三世紀頃の日本ですでにスクライングのようなことが行われていたのではないかという説もあるそうです。
スクライングが長く愛好されてきた理由のひとつには、占える内容の幅広さがあげられるでしょう。
「見つけ出す」を語源とする通り、距離や空間を飛び越えて知りたいことを見つけ出し占うのはもちろん、時間を超えて未来や過去のことも占うこともできるのが、スクライングの特徴です。
占いをする人の能力によっては、心の中を探ることや霊的な存在との交信までもが、スクライングで可能であるとされるほど。
このように、スクライングは実に多くの悩み事に広く対応できる占いといえます。